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2013.06.02

リアル~完全なる首長竜の日~

見てきました。舞台挨拶のチケットがとれなかったので、地元のシネコン。
ファーストデイってことでそこそこお客が入っていたんだけど、カップルとか若い女子とかにまじって、かなり年配のご婦人の集団がいて、ちょっとびっくり。
佐藤健くんを見に来たのかどうかわからないけど、あのご婦人方に「リアル~完全なる首長竜の日~」はどんな印象なんだろう、、、。映画を見ながら、ちょっとそんなことを考えてしまいました。

この映画に公式サイトのうたい文句にあるような「究極のラブストーリー冒険超大作」を期待して見に行ったんだとしたら、「何これ?」って思うかも。
私的には、例え「究極のラブストーリー冒険超大作」だとしても、黒沢清監督っていう時点で、単なるラブストーリーではないだろうなとは思ってましたが、ほんとに「単なるラブストーリー」じゃなかったw。
これは、「完全なる黒沢清の映画」とも言うべき映画でした。画面から受けるざらざらとした感じが、「回路」みたいで。そんないかにも「黒沢清」っていう感じの映像の中に、佐藤健くんと綾瀬はるかちゃんという今をときめく役者さんがいるっていうのがちょっと不思議な感じがした。

ここからは、かなりネタバレしてます。
もし、この映画をこれから見に行こうと思ってる方がいたら、読まない方がいいと思います。
「謎解きはディナーのあとで」のマナーCMじゃないけど、犯人が誰だかわかってから推理小説を読むことほどつまらないことはないので。

舞台は近未来。
佐藤健くん演じる浩市が、センシングという他人の意識にコンタクトできる方法で自殺未遂で昏睡状態になった恋人=淳美の意識の中に入り込み、敦美を救おうとする、というお話。
これだけ読むと、やっぱラブストーリー?って思っちゃうんだけど、仮想現実の中で敦美の書くマンガの死体のイメージが実体になって出てきたり、水に濡れた謎の少年が出てきたり、表情のない蝋人形のような人間が出てきたり、突然ドアが開いたりw。
ちょっと怖いです。てか、けっこう怖いですw。ホラーです。

そして、物語が進み、浩市が淳美の意識=仮想現実に入り込むことで、現実と仮想現実の境界線が曖昧になり、そのうちに浩市自身も見ているこちら側も、何が現実で何が仮想現実かわからなくなっていくのね。
で、途中からもしかして逆?って思ったんだけど、やっぱり昏睡状態になっているのは浩市の方で、恋人を救おうとセンシングしているのは淳美の方だった。この辺のどっちがどっちかわからないっていう曖昧な感じの描き方がうまいなあって思った。

タイトルにもなっている首長竜っていうのは、浩市と淳美が幼いころに犯した罪と、浩市(淳美)のマンガ家としての躓きの象徴になってる。浩市(淳美)はマンガ家として行き詰っていて、仮想現実の浩市(淳美)は、子供の頃に書いた首長竜の絵を見ることができたら壁を越えることができると思っている。
で、浩市と敦美は、仮想現実の中で子供の頃に過ごした島に行くんだけど、そこで、子供の頃、溺れた友だち=モリオを見殺しにしてしまったことを思い出す。モリオに何もできなかったことを無意識の中で悔やんでいた浩市は、モリオのイメージを首長竜にして、自分がその首長竜に食われることが贖罪だと思っている。

そんな浩市を救うのが、敦美なんだよね。
ラストで首長竜にさんざん痛めつけられる浩市は、まるで変身前の良太郎のようだったw。
そして、恋人を救おうとする敦美は、まさにヒーローだったね。
ま、サイボーグのように力で首長竜を倒すわけじゃなくて、色仕掛けなんだけどw。
敦美は、自分が作ったペンダント(首長竜の象徴であるモリオがずっとほしかったペンダント)を差し出して、これをあげるから浩市の意識の中から出ていけって言う。
これって、色仕掛けよねw。思えばモリオってかわいそうな存在・・・。

最後、浩市が目覚めてめでたしめでたし、なんだけど、ラストがどうなるかってことはなんかあんまりどうでもよかったなあ。黒沢清的なざらざらした気持ち悪さが逆に気持ちよく感じて、そういう世界観を味わえたっていうのが収穫な映画でした。

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