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2013.01.12

鈴木先生

見てきました。渋谷東映。
おもしろかった。すごい映画見たって感じ。

鈴木先生って、中学校が舞台で教育とは?みたいな話だから、ともすれば説教くさくなりがちだと思うんだけど、そうならないのはバランスのよさだと思うんだよね。いろんな意味で。見ごたえあるし、でも、笑える場面もあり、ほろっとさせる場面もあり。ほほえましい場面も、ホラーまがいの場面wもあるという、、、。オススメです。

脚本の古沢さんがリーガルハイで「絆」の胡散臭さに対して一石を投じたけど、この鈴木先生では、学校や社会においてなんでもかんでも規制してしまうことへの疑問について私たちに問いかけている。規制することは悪だといっているわけではなく、規制したとしても、グレーゾーン=逃げ道を用意しておくべきなんじゃないかっていうことを。

確かに最近の世の中はなんでもかんでも白黒つけたがるよね。でも、どっちつかずのグレーゾーンていうのはあるし、それって暗黙の了解的に白でも黒でもないけど存在を許されてるものだったと思う。あえて、グレーなままにしておくっていうか。
でも、ある時から、誰かがその「暗黙の了解」に気づかずに(気づかないふりして)白黒つけるようになってしまった気がする。そうすると、どんどん世界が息苦しくなると思うのね。
今回の鈴木先生では、そんな世の中に対して、これでいいの?って言ってると思う。

鈴木先生が密かに提唱している「鈴木式メソッド」も成功したかどうか、実はグレーなままなんだよね。窪田くん演じる白井が言うように、鈴木先生を慕う優等生は鈴木先生には会いにこない。それが、マリとが言うように「自分の世界で必死でがんばってるから」なのかもしれないし、ほんとに卒業して関係ないから会いにこないのかもしれない。そこをそれこそ「グレー」にして終わらせているところがいいんだよね。
一概に鈴木先生礼賛ではない(そんなの気持ち悪い)、でも、実は鈴木メソッドは成功しているかもしれない(だったらうれしい)っていう、そのバランス感覚が好き。

バランスといえば、足子先生もそう。
「規制」の象徴みたいな感じで足子先生が描かれているわけだけど、その足子先生が、膠着してどうしようもなくなった立てこもり事件の真っ只中に飛び込んで、(結果的に)小川さんを救ったわけだから。
足子先生には賛同しないけど、足子先生=100%「悪」ではなく、足子先生の存在意義をちゃんと描いていたのもいいなって思う。しかし、自分に反する存在を脳から消去するというSPECを身に着けた足子先生、最強w。

そして、鈴木先生のもう一つのテーマ、「演じる」ということ。
執拗に出てくる劇中劇(なんでヒカリゴケなんだw)が、それを象徴してるのかなって思った。演じることがすなわち自分自身を成長させることだと鈴木先生は言う。これって、自分を客観視してコントロールできるっていうことだよね。鈴木先生は全身全霊で「鈴木先生」を演じ、生徒たちは生徒を演じる。時にはまじめな生徒を、時には熱い生徒を。
そうやって成長しつつある生徒たちは、世界を変えることができるんだろうか。この問いの答えも、またグレーなんだよね。グレーなんだけど、でも可能性はあるかもなって思わせてくれる。
鈴木先生がユウジに投げかけた「君もまた世界を変える一人なんだ」っていう言葉を聞いたユウジの涙は、それを物語ってる気がする。私はここでほぼ号泣してましたけどねw。

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